経理の業務をやっていくにあたり、
「なにかお勉強系の本を読んでおこうかな」と思って手に取ったのが、こちらです。
『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』
かなり人気のある著作なので、ご存じの方も多いかもしれません。
これが、思っていた以上にわかりやすくて、しかも面白かったんですよね。イラストもゆるくてかわいい。
構成としては、クイズ勉強会の講師と数名の参加者が対談していく、というスタイル。
実際の企業の決算書をもとに、「どう読んでいくか」を一緒に考えていく流れです。
この「どう読んでいくか」という部分に、いろんな切り口があって、なかなか読みごたえがあります。
ただ、内容としてはどちらかというと投資家向け寄りかも。
経理の“作業者目線”で読むと、「あ、知りたいのはそこじゃないかも」と感じる人もいるかもしれません。それでも、各書類の関係性が整理されていく感覚はあるので、個人的にはぜひ読んでほしいです。
本書ではまず、「決算書とは何か?」というところから説明されています。
一般的に決算書は、
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
- 株主資本等変動計算書
この4つで構成されています。
このうち本書で主に扱われているのは、
貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つ。
いわゆる「財務三表」と呼ばれるものですね。
この3つを見れば、だいたい企業の状態は分かってしまうらしいです。
……へぇ、そうなんだ、という感じですが。
財務三表は、上場企業のものなら誰でも見ることができます。
3か月に1回の「四半期報告書」、
年に1回の「決算報告書」の提出が義務付けられているからです。
非上場企業には提出義務こそありませんが、もちろん決算書自体は作成します。
言ってみれば、1年の成績表みたいなものですね。
それをもとに、次の年はどう経営していくのか、戦略を練っていくわけです。
この成績表を見て、投資家たちは
「この会社は成長しているから株を買おう」
「ちょっと業績が落ちていそうだから、今は様子見かな」
と判断していくわけですね。
面白いのは、同じ業界のA社とB社を比べても、
ビジネスモデルの違いによって、財務諸表の姿がかなり変わるところ。
スタートアップ企業にありがちな形、というのも紹介されています。
数字を追っていくだけで、
「この会社、今どんな状態なんだろう?」
というのが見えてくるのが、なかなか楽しい。
ただの数字なのに、いろいろ読み取れてしまう。
そこが決算書の面白さなんだな、と感じました。
まあ、日々の業務の積み重ねが決算書の結果になるわけなので。
そう考えると、従業員の血と汗と涙の結晶……
と言えなくもない、かもしれません。感慨深いものがあります。
D社の決算書は①、②、③のうちどれでしょう?の問いに、
参加者たちが「あーでもない、こーでもない」と議論していく構成なのですが。
「その意見は賛成」と共感したり、
「いや、違くない?」と心の中でツッコミを入れたりしながら、楽しく読み進められます。
知識ゼロの状態でも読めますし、図解がとにかく分かりやすい。
正直、この図があるから理解できた、と思う場面も多かったです。
決算書を「作る側」を目指す人にとっても、
それぞれの書類の関係性が丁寧に説明されているので、理解の助けになると思います。
一方で、「求人に応募する側」の視点で読むのも面白い。
投資家に限らず読む価値ありとは結構強めに感じますね。
- 応募先の経営状態をチェック: これから入ろうとする会社が今どんな状態なのか?
- 平均年収を推測: 実は決算書から従業員の給与水準を推測することもできちゃいます(ちょっと怖いですが……笑)。
- 取引先の与信判断: 新規の取引先が信頼できる会社かどうか。
などなど。社会に出て働いているのなら、決算書が読めて損をすることはありません。
「決算書は難しそう……」と敬遠している人ほど、その入口としてちょうどいい一冊です。
実務に活かしたい経理担当の方も、これから投資を始めたい方も。
「決算書って、意外と面白いのかもしれない」
そう思えるきっかけとして、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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